「近藤さん!入隊希望者ですよ!」


「おぉ、そうか。」


近藤勇。
ここの局長だ。

優しそうなそれでかつ、厳しそうな感じだ。


「何故、此処に入りたいのかね?」


「役に立ちたい、それだけじゃ駄目ですか?」


「はっはっは!結構、結構。総司、腕を見てやれ。俺も後でトシを連れて見に行く。」


沖田はまた悠の腕を引いて部屋から出た。
そして、目指すは道場。


「私は貴方と戦うのですか?」


「いえ、多分私ではありませんよ。そーですねぇ…平助辺りですかね。」


そして、道場に着いた。
活気に溢れ、木刀がぶつかり合う音に大きな声が聞こえてきた。


「あれぇ…?総司じゃん。珍しいねぇ~」


「新八さん、平助います?」


沖田は道場を見回した。
沖田が来ることがそんなに珍しいのか周りの隊士たちは稽古の手を止めざわついていた。


「総司、どうしたのさ。あれ?新しい人?」


「そうなんですよー!平助、手合わせしてあげて下さい。」


藤堂平助と永倉新八。
二人とも組長で沖田や近藤とは昔からの仲だ。

永倉は小さいながら剣の腕は沖田に劣らない。
藤堂は"魁先生"の名を持ち最年少で組長となった。