「お前の組の隊士だ。」


土方に紹介されたのは全部で五人ほど。
それも何と悠の部屋の隊士が殆どだった。

他の組に比べてみれば少ないが悠にとってはこのくらいの人数が丁度良かった。


「よろしくお願いします。……私もまだよく分からないんですが…」


「お前はこいつらを強くさせりゃあいいだけだ。出来るだろ?」


「はい。」


土方は満足そうに笑って道場から出ていった。
悠の口調は元に戻っていた。
というより、稽古の時はこんな感じなのだ。


「じゃあ、やりましょうか。……きっと誰よりも厳しいと思うので。…逃げたら私がすぐ見付けて斬って差し上げます。」


悠は笑った。
いつもと違う笑みに隊士たちはゾッとした。


「あ、その前に名前を教えて下さい。……頑張って覚えます。」


「俺は和田隼人。あっちは宮川数馬。」


「私は中村久馬、あちらは中西昇です。」


「俺は上田金吾だ。」


五人の名前くらいは覚えようと必死だった。
問題は土方が選んで此処に入れたというだけで実力はちっとも分からなかった。