屯所に戻ると門のところに沖田がいた。


「悠さん!突然走り出していってしまうから心配したんですよ…」


「すみません…。これ、あげます。」


悠は包みを沖田に渡して中に入った。
後ろから感嘆の声が聞こえた。

本当に甘いものが好きなようだ。


「悠ひゃん!ひじひゃたしゃんが……呼んでました!」


沖田は団子を食べながら用件を伝えた。
悠は軽く会釈して土方のもとに向かった。

息を吐いて声をかけた。


「土方さん、ただいま帰りました。」


「おう。入れ。」


悠は静かに襖を開け、入った。
紫煙で白くなっており、悠は少し咳き込んだ。

土方の机周りは文やら本やら沢山あった。


「お前は零番組として動け。」


「零番組……ですか?」


聞いたこともなかった。
あるのは一番から十番までだと思っていた。

想像もつかなかった。



「そして、そこの組長をやれ。」


「え…!?私が…ですか…?」


急すぎて悠は驚きを隠せなかった。