「それより土方さんよぉ、今日、こいつの歓迎会やろうぜ!」


「そうそう!やろうよ!」


酒が飲めるから。

とは言わない。
そこはわきまえている。
けれど、実際はそうだ。


「今の俺らにそんな余裕はねぇ!やりたいなら手柄の一つでも立ててみやがれ。」


「えー…」


「えー……。ありえねー…」


原田と藤堂はじーっと土方を見ている。
永倉はやれやれとばかりにその二人を見ている。


「なぁ?お前だってやりてぇよな!?」


原田にいきなり振られて戸惑う悠。
自分の歓迎会をやると言っているのに自分でやりたいなんて中々言わない。

というか言わない。


「え……あ……」


「どうせお前らが酒飲みてぇだけだろ。」


「痛いとこ突かれた!左之もう諦めるんだね~…」


すかさず永倉が突っ込みを入れていた。
悠は可笑しくて笑う。


「フフッ……。本当に面白いところですね。」


「その代わり、少しだがこれをやる。……頼んだぞ。」


土方は永倉に小さな巾着を渡して歩いていった。
永倉が中を覗くとお金が入っていた。