「悠!何してんだー?」


話し掛けてきたのは原田だった。
その隣には永倉、藤堂がいた。


「特に何も……。ぼーっとしてました。」


心なしか藤堂は悠のことを睨んでいるようにも思えた。
永倉はそれに気付いた。


「平助~…まだ根に持ってるの?」


「う、うるさい!手抜かれたんだから!」


悠はちょっとした罪悪感を感じた。
だが、後悔はしていなかった。

あの場で組長を負かす訳にはいかなかった。


「今度、ちゃんとやりましょう?負けませんから。」


「言ったなー!?僕だって負けないからね。」


藤堂は笑った。
何処か悪戯っ子のような笑みだった。


「なぁ、今日歓迎会やんねぇかな?」


「あ、やって欲しいね!酒飲めるし。」


話は次から次へと飛び、歓迎会の話になった。
悠のことはそっちのけで三人でわいわいと盛り上がり話し始めた。


「悠、何をしている?」


そこを通りかかったのは斎藤だった。