悠が入隊してしばらくが経ったある日。


「なんや、初めて見る顔やな。」


悠も初めて会ったのだ。
現れたのは黒装束を着た男だった。


「悠です。初めまして、山崎烝さん。」


「なんや、わいのこと知っとるんか。」


悠は頷いた。
山崎は口元まで上げていた布を下ろした。
そしてニカッと笑った。


「それなりに。土方さんと知り合いなもので。」


「お、あんたが悠か。ほな、よろしゅうな。」


山崎は土方の部屋へと向かって歩いていった。
中々、慣れないもので一人になれば縁側で座っている日々。