…その笑みに、私も思わず笑いを誘われる。

そうだ。

私と紅はこういう関係の方がいい。

実のところ、この勝負とて勝ち負けなどどうでもいいのだ。

戦乙女に寄り添う紅の風。

私達はいつまでもそういう関係だ。

そういう関係でいたいのだ。

「面白い。そろそろ白黒はっきりつけたかったところだ」

「同感だ。手加減はせぬから覚悟しておけ」

憎まれ口を叩き合いながら、私達は鍛錬場へと足を運ぶ。