「紅の旋風は死んでなどいない!今は姿を見せずとも、必ず加護を伴った風となり、東の地を侵略する帝国軍を吹き散らしに舞い戻ってくる!!」

かざした大剣を振り下ろし、皇帝に切っ先を向ける。

「それまではこの戦乙女がそなた達の命運を預からせてもらう。この戦乙女がいる限り、そなた達にはヴァルキリーの祝福が訪れる!!安心して戦うがいい!!」

私は声も高らかに宣言した!!

「この戦いの勝利は、戦乙女率いる東方同盟と共にある!!」

その瞬間。

大地を揺さぶるかのような咆哮がこだました。

兵士達の鬨の声。

その声に、あれ程の勇猛さを見せ、数の上でも勝っている帝国軍がたじろいだ。

「むぅ…」

皇帝までもがその表情に曇りを見せる。

「たった一声で騎士達の士気を甦らせたか…おのれ、戦乙女…」

歯噛みする皇帝に笑みを見せつけながら。

「皆、私の後に続け!!」

私は叫んだ!!

「全軍突撃!!帝国軍を蹴散らすのだ!!」