迸る鮮血。

斬られた腹から、大量の血が零れ落ちた。

「が…はっ…」

槍を支えにしても立っていられず、紅は片膝をついた。

その姿は、紅が目の前の皇帝に屈服しているかのようにも見える。

「見事だぞ、紅」

言葉とは裏腹に、皇帝は彼を嘲笑っていた。

「俺に『イアイ』を使わせ、尚反撃してきたのは貴様が初めてだ。誉めてやろう…が」

皇帝はカタナを静かに振り上げる。

「俺が刃向かう者には容赦しないのは知っておろう?」

その刃を、勢いよく振り下ろす!!

「くっ!!」

咄嗟に槍を横に構え、その柄で皇帝の斬り下ろしを受け止める紅。

だがその瞬間、斬られた腹の傷口ががら空きになる。

そこを。

「ぐはあっ!!」

非道にも皇帝は蹴り上げた!!

大きく体勢を崩す紅。

そこへ。

「さらばだ、旋風」

皇帝のカタナが袈裟掛けに振り下ろされる!!