少し俯き加減で言う私の銀髪を。

「案ずるな」

紅はクシャッと撫でた。

「言っただろう。俺は戦場に立つ時は、敵に不吉を届ける魔風だ」

彼はそう言って私に背中を向けた。

「魔風が斬り伏せられる事など有り得ぬ」

遠ざかっていく赤い外套の背中。












その背中が、消え入りそうなほど儚く見えたのは何故だろう…。