「あぁ〜♡
今日も女神は美しい…♡」

「俺、今日も頑張れる気がするわ!」



そんな噂話をよく耳にする。

誰のことなんだろう。女神って。

そんなに噂になるほどの美女がいるなら私も会ってみたい。


私は佐野美月(さの みつき)。
軽く自己紹介すると、
高校2年生、5人+2匹家族の長女、男子がちょっと苦手。
好きな事は、お菓子を作ることと食べること!



「美月っ
今日も男子が噂してるよー!
さすが、学校の女神、佐野美月!」

「私の事なわけないでしょ。
七海、頭大丈夫?」



この子は幼馴染の湯本七海(ゆもと ななみ)。
明るい性格と容姿の可愛さから、
昔から結構男子に人気あるみたい。
今は本宮蒼(もとみや そう)君っていう彼氏がいるから言い寄る人はあまりいない。


「学年2位をバカにしないでよね!
断じて頭に異常なし!」

「別にバカにはしてない。
私だって3位だし。1位って誰だろ?」

「藤村君だよ。
知らないの?美月と同じ位有名人なのに…」


…知らないなあ。

私、結構学校の有名人とか疎いからなぁ。


そんな話をしていると、
私たちのもう一人の幼馴染の花田瑠伊(はなだ るい)が教室に入ってきた。


「美月、七海、はよ〜」

「「おはよー」」

「ねえ、瑠伊、美月って女神だよね?」


もう、まだ言ってる!


「…そ、そうだな!
俺にとっちゃ、美月も七海も女神だよ?
今まで沢山助けてもらったしな」


何故かみるみるうちに瑠伊の顔が赤くなっていく。


「そういうことじゃなくて…て
瑠伊、顔赤いよ?」

「あ、ほんと…大丈夫?」

「だっ大丈夫!
きっと走ったからだよ!」

「そー?あ、先生きた」


ちょうど担任の須賀(すが)先生が教室に入ってきた。

みんなそれぞれの席に着いたところでHRが始まった。