天然で自分の容姿のよさに気付いてない無自覚な珠莉愛を、女に飢えた狼の群れの中に1人行かせるなんて、考えただけで恐ろしい。 「…ん、珠羅?どーしたの?」 珠莉愛の声で我に返った。 珠莉愛の小さな手が頬に触れる。 「そんな顔して、もしかして、怖い夢でも見たの?」 心配そうに顔を覗き込んでくる珠莉愛。 「…そ、すげー怖い夢」 夢、だったらいいのにな。 婚約者の事も、男子校の事も、 お嬢様と執事っていう、俺達の関係も。