「それ、買わないの?」

「わっ!! りゅ、隆志さん!?連絡するって言ってたじゃないですか!」

「いや、駅に着いて電話しようと思ったら見かけたからさ」

「あっ、そうなんですか」

隆志さんは私が見ていたバレッタを手にとって、私の髪にあてた。

「よく似合ってるじゃん」

「えっ」

「これ付けて俺に会うつもりだった?」

「なっ、なんで分かるんですか!?」

「これ見てる時の琴菜の顔、楽しそうだったから」

あたしってそんなに分かりやすいの!?
自分が恥ずかしい。
「…すぐに買ってきます」