「はい、どうぞ!」

「さんきゅー…あ、これ。」


それは、あのマグカップだった。


「えへへ、昨日届いたんだ〜」


驚かせたくて、と言う姫羅の手にも
同じマグカップがあった。



「2個も届いたん?」

「1枚はもう揃ってたの。
もう1枚大和の分集めたくって!
ね、お揃い!!」


お揃いなんて、買えばすぐ揃うのに
と思いつつも
欲しいものを俺の分まで欲しいと
思ってくれてたことが
素直に嬉しかった。



「大和にあげようと思ってて、
届いたまま渡そうと思ってたんだけどね
美味しいコーヒーもあったし
一緒に飲みたかったから。
洗ったら、持って帰ってね?」


「いや、持って帰らんとく。
俺専用のマグカップ、
この家にあってもいいんじゃない?」


ちょっと意地悪な笑みを浮かべると、
姫羅は

「そうだね。」

と笑った。