気持ちを伝えたあと、 あたしは裄くんの香りに包まれていて。 耳にかかる、裄くんの息。 「なんでもっと…早く言わねーんだよ」 呟いた、裄くん。 「俺だってずっと、好きだったっつーの」 「え………」 かすれるような声で、裄くんは言った。 「ずっとずっと、梨元が好きだったんだよ」 裄くんが言ったあと、 言葉にできないほどの感情が 体の奥からこみ上げてきた。 それを表すかのように、 涙が溢れ出す。