「最近の姉ちゃんの口癖、教えましょうか?」

「…………」

「“別れようかな”ですよ」


“別れようかな”


そこまで俺は、浅海を追い詰めていたのか…

自分が情けなくて。

浅海に別れまで考えさせたことが悔しくて。

俺は自分の膝に顔を埋めた。


遼多は近くで、雑誌をめくってる。


俺、どうすればいい?

浅海は絶対に渡したくない。

浅海を失いたくないんだ。


けど今の俺には、何ができるんだ?