授業が終わって、あたしは裄の元へと向かった。

今日はあたしと同じで4限で終わりって言ってた。

確か教職論の授業だったから、教育学部棟の3階にいるはず。


すれ違う人の中から必死に裄の姿を探す。

ちょうど前から、槇と並んで歩く裄の姿が見えた。


「ゆ、裄っ」


裄を呼び止めると、


「‥浅海?」


少しびっくりした表情の裄の声が聞こえた。


「話、あるんだけど‥ちょっといいかな?」

「ああ‥うん」