気付けば、裄と喧嘩してから二週間が経っていた。

その間、一言も口を交わしていない。

大学内でもほとんど会わないし、メールや電話なんてできるわけないし。

そんな状態で別れを切り出すのも、少し難しいことだった。


浅海はそんな病んだ心のまま、中庭を歩いていた。

人がたくさん行き交う。

これだけたくさんの人がいるのに、裄に会わないなんて。

今会ったとしても、また避けちゃうんだろうけど。

まだ、完全に別れを切り出す勇気がない。