ご飯も食べずに、そのまま部屋へと入った。

布団に寝転んで、目を閉じる。


浮かんでくるのは、裄の顔。

“大っ嫌い”
って言ったあとの、あの裄の悲しそうな顔が、

頭から離れなかった。


なんであんなこと言っちゃったんだろ‥

大っ嫌いなんて、思ってないのに。

好きでたまらないのに。


恩田さんに対して優しく接するのは

裄が本当に優しいからだって分かってる。


だけど、あたし以外に優しく触れる裄が、

嫌でたまらなかったんだ。

‘あたし以外の女の子に触れないで’

そう思う嫌な自分が‥いたんだ。