「そうじゃなくて‥‥‥抑えられなくなるから」


耳元で囁かれ、真っ赤になるあたし。


「分かってる? 俺はお前が好きでたまらねえんだから」


いつもより低い声の裄に、やられっぱなしのあたし。

耳元でそんな声で言われて、ドキドキしないはずない。


その時。


「なーんてな」


え?

そう言って、あたしから離れた裄。

裄の温もりが、一気に消えた。


「浅海があんまり見つめてるから、ドキドキさせてやろうと思っただけ」


裄はそう言いながら、あたしのベッドに腰掛けた。