急に後ろから声をかけられた


知らない声


だ、誰ですか…!


後ろを振り返ると


あれ、知ってる顔だ…!
確かあの人は、彼方先輩


「湊の友達でしょ?…なんかすごいことしてたからびっくりした」


彼方先輩は、若干引いてる感じでこちらを見てる


ほっぺた叩いたの見られた!
変な子だと誤解されてるきっと!


急にほっぺた叩く変な子だと思われてる!


「えっと、これは…速水くんが…!」


先輩は背が高くってクールな感じだから見た目少し威圧感があって


本当に小さい声しかでなかったけど誤解を解くべく、頑張って伝えてみる


「速水…?あぁ、空のことか。
というか、バスケ部の見学?それとも、空見に来たの?まぁ、見てっていいよ」


と、サラッと体育館を指差して中に入って行ってしまった


わたし、いつの間にか体育館に来てたんだね…


ご丁寧に彼方先輩は、体育館のトビラを少し開けておいてくれていた


バスケしている速水くん、あんまり近くで見たことないな


いつもにこにこ爽やかな速水くんしか私は知らない


違う表情も、見てみたいな


なぜか彼方先輩は速水くんを見に来た、と勘違いしちゃってるのが少し恥ずかしいけど

少しくらい、いいよね


わたしはこっそりと中を覗いてみることにした