お昼休みになって


ちょっと早く図書室に行ってみようかなと思い立って行ってみることにした


朝、声を出すために頑張ったおかげか、
いつもよりなんだか周りの目が気になってしまって


少し気が張りすぎたのか疲れたな


だから、速水くんの手紙が読みたくなった


いつも私に力をくれるから


それに、少し変われたよってお礼を伝えたかったから


いろんな感謝の気持ちを込めて


教室でこそこそ手紙を書いておいた


…もしかして、速水くんに会えたりするかな


なんてぼーっと考えながら廊下歩いていたら


「うわっ…?」


目の前に、人!!
でもその人背が高くて、わたしはぽすっとその人の身体に収まってしまった


ごめんなさい、身振り手振りでそう伝えようとしたら


「あれ、伊織…だよね?こんにちわ!」


は、速水くんご本人‼︎
考えてたことが、現実に…!!


「大丈夫だった?…というか!」


ばっと、わたしの目の高さまで速水くんがしゃがむ


うわわ、近い近い!顔、すごく近い!


きっとわたし顔真っ赤かも
恥ずかしいなぁ…
でも、速水くんすごく綺麗な顔



「メガネとったんだ、コンタクトデビューだね!」


そうだよ
速水くんに可愛いって、いってもらいたくて
速水くんに、わたしのこと見てもらいたくって外してみたの


どうかな、なんて聞いてみたい


でも速水くんを目の前にすると、緊張とドキドキとそれから胸がきゅってなって苦しくて


伝えたい言葉は声にならなかった


まだ完全に自分に自信は持ててないし


なにより今まで出なかった声が急に出るようになるわけでもなくって。


…ダメダメ。ポジティブな考えをしようって決めたんだから


これからゆっくり変わっていけるはず


自分に否定的じゃダメ、だよね



「伊織…?」


いろいろなことを考えてる間、わたしはどうやら下を向いてフリーズしてたみたい


速水くんの声に心配の色が混ざった