李亜さんも、とても目立っていた


「李亜さん…!」


声をかけると


「伊織ちゃん!!おはよう!
何か用?」


楽しそうな笑顔でこちらに駆け寄ってきてくれた


ふわふわと揺れる髪は
李亜さんの可愛さを引き立てていて
見惚れてしまいそう


「えと、空くんとわたし…」
「付き合い始めたの⁈」


食いつくように、
ずいっとこちらに顔を近づけられて


「り、あさん」


肩を掴まれて
ゆさゆさ揺さぶられる


「李亜さん、ストップ…」
「あ、ごめん!つい…


それでそれで、どうなの?」

わたしの肩をゆするのをやめて
顔を覗き込まれる


こんなに目をキラキラさせて聞かれたら
なんだか恥ずかしくなって


つい、目をそらしてしまう


「…お付き合い、させてもらってます」



そう、言った次の瞬間


ぎゅっと、李亜さんに抱きつかれる

ふわりと、甘い香りがした


「ほんっとうに!おめでと!」


…やっぱり、なんだか照れくさい


「ありがとう、ございます」


こんなにお祝いされるの、いつぶりだろう


次に李亜さんはわたしの手をとって


「空を、よろしくね」


と少し真面目な顔をして言った


こういうとき、どういう顔をすればいいのかな


よくわからないな


でも


先輩に言われた言葉を思い出して


今一番の、笑顔で返事をした