「えぇっと、えっと…」


朝から、こんなこと言われたら
困ってしまう


冷えてた手が、じんじん熱くなる


空くんも、はっと口を押さえて
恥ずかしそうにしていた


「うわ、ごめん。こんなつもりじゃ…
いや、本気で思ってるけど…
つい、口から出ちゃって」


ふたりで慌てながら、
歩いていたらいつの間にか空くんの教室の前だった


「俺、ここだから!
図書室、迎えに行くから!」


「う、うん!
またね…!」


…うれしい


でも、わたし、応えられてない


伝えれてない、わたしの気持ち


あぁもう、頑張れわたし!


言えなかった後悔を振り切るように
小走りして、教室に向かった