わたしと空くん


見つめ合わせた顔を
同時に笑顔に変える


「「ひみつーーっ!!」」


空くんは、
口元に指を立てて


わたしはとびきりの笑顔


「な、なにそれー!!」

湊の、納得できないような
残念そうな声が後ろから聞こえた


ごめん、湊
これだけは、ひみつなんだ


わたしたちは、また前を向いて歩き出した


学校に近づくにつれて
生徒の数が増えて


視線が気になったけど


手は、あったかいままだった


「…やっぱりきになる?」


「ううん…平気!」


繋がった手を揺らして、答えた


「あ、やば、時間が…」


空くんが、腕時計を見て
声を上げた


私も、ちょっと背伸びして
それを覗き込む


確かに、
時計の針は、危ない時間を指していた