体が熱くなるのを感じた


昨日の、
空くんの一言ひとことが
思い出される


『伊織のことが、好きです


俺の彼女になってください』


『伊織しか、考えられないよ』



思わず近くに置いてあった
クマのぬいぐるみのお腹に


顔をぐりぐりと押し付けた


夢じゃないよね
本当なんだ


それに
今日、一緒に登校するんだ…


どうしよ、
会った時何て言おう?



緊張するかな
どうかな


改めて、
わたし、彼女になったんだって


そう認識したら
よけい意識しすぎてしまう


「…まず、準備、しなきゃ」


鏡を見ると



肩まで切った髪は
あちらこちらに跳ねていて
落ち着きがなかった


これじゃ、とても空くんに会えないや


ご飯食べて、頑張ろう


丸見えのおでこを抑えながら
わたしはもぞもぞ
ベッドから、起き上がった