「伊織さんってさ、なんでしゃべらないのかなぁ。わたしたちって、嫌われてるの?」



「ほんとね、さっきプリントもらったときもなーんにもしゃべらなかったし。」



「え、ウソ。あ、聞いたことあるけど、なんか緊張して話せないらしいよ」



「なにそれ、私たちのこと怖いって思われてるの?なんかやだな」




廊下の曲がり角で、クラスの女の子たちにばれないような位置で




そうじゃないの、こわいわけじゃない
わたしだってみんなと話して友達作りたい



でも自分でもよくわからないけど声がでなくなるの



そうやってクラスの子に言いたい



けどそれもできないのがすごく苦しい



わたしだって速水くんみたいにみんなと仲良くしたいのに



すごく胸が苦しくなって、はやく図書室に逃げ込みたくなった




はやくはやく、あの手紙に助けてもらいたい



クラスの子がいなくなったのを確認して図書室へ…!