きゅっと引き締まってた空くんの顔と

わたしの泣きすぎて少し引きつった顔は


お互いの想いの強さと
緊張と、体温の高さも


全てを共有した後に
ふにゃふにゃと柔らかく解けていった


「伊織、緊張した？」


「…今までに、ないくらい、したよ」


「…俺も」


その言葉は少し意外な感じがした


「…空くん、告白、はじめて？」


「…そうだけど」


話しながら、本棚にもたれかかるように
2人並んで、座る


…なんか、空くんは恋愛に慣れてるイメージがあった


かっこいいし、
女の子に呼び出されることだって
あったのに


「なに、その不服そうな顔…
俺、そんなに告白しまくってるように見える⁈」


しまくってる、とまではいかないけど
経験はあるんだろうなって
思ったんだけどな


空くんこそとっても不服そうな顔をして口をとがらせてるから


可愛くって
少し笑ってしまう


「少し、思ったよ」


「ひどいなぁ…伊織」


何だろう、この感じ


いつものおしゃべりのはずなのに


今までと違う、この感じ


少しゆったりした間が、妙に落ち着く