「…落ち着いた?」
少し時間が経って、空くんが口を開いた
わたしはだいぶ落ち着いて
一応、はらはらと止まらなかった涙も止まった
…でも心臓の音は、
びっくりするくらい大きなまま
「…うん。
ごめんね、ありがとう」
そっと、空くんから離れた
顔を見合わせて
ちょっぴり恥ずかしくて、笑った
「じゃあ、改めて…」
笑顔だった空くんの顔が
バスケをしている時みたいな、
きゅっと引き締まった顔になった
そんな空くんの表情が
さらにわたしの鼓動を早くさせる
そして、空くんの手が
こちらに差し出される
「伊織のことが、好きです
俺の彼女になってください」