藤咲 伊織 side
とんでもなく、震えた
小さな声だった
せっかく誰もいないんだから
もっと、大きな声で伝えたかったのに
もっと、大きな『大好き』を
伝えたかったのにな
でも、言えたんだ
空くんに、ずっと伝えたかったこと
自分から、ちゃんと
もっと、伝えたかったよ
どれくらい、空くんが好きか、とか
どこが好きか、とか
でも、優しいところも、
少し悪筆な文字も
一生懸命な顔も
笑顔も
言い出したらきりがないくらい
言葉にできないくらい
空くんの、全部が好きだったから
…好きです、の4文字で
わたしの全部の気持ちが
どうか伝わっていますように
この手紙が
空くんの“友達”としての最後の手紙になりますように
次は“彼女”としての手紙をかけますように