「伊織さん、今日提出のプリントまだかな。わたし、出しに行かないといけないんだけど」



クラスメイトの女の子だった



たしか、今日国語のプリントが提出だったっけ




教室中の人の視線がわたしに向いている気がする



怖い、どうしよう、謝らなくちゃ
はやくプリント、渡さなきゃ




「ごめんね、遅れちゃって。」
ただそれだけいうだけなんだから




でも声が出ない
ノドが詰まっているような圧迫感がある




女の子の視線とか、周りの目が迫ってくる感じがして…




結局、無言でプリントを渡すことしかできなかった