速水 空 side


いつの間にか朝だった


寒い真冬の朝


布団からなかなか出られなくて
困ってしまう


でも、俺は時計を見て飛び起きた


「8…っ⁈」


時計の短い針は8を指していた


何回見直したって、何度目をこすったって8だ


「寝坊したっ…!」


最近早く起きるよう努力していたのに
早く学校へ行けるようにしていたのに


8時は遅すぎた


暖かい布団を放り投げて、自分にできる最速で制服に着替える


ばたばた階段を降りて、リビングへ


李亜はいつの間にやら学校に行っていたみたいで、いなかった


「なにこれ」


食卓の上に置いてあるものと、キッチンを見て、固まった


キッチンは、酷い有様だった
流しには鍋やらなにやらあふれんばかりの食器


食卓にはおかゆ?と形を保てていない卵焼きにいろんなものが入ったお味噌汁


そしてメモ


『朝ごはん作った!
片付けよろしくねん☆ お姉ちゃん』


「…」


急いでるんだよ!俺は!


李亜はこういう、家事とかはまるでダメだ


でも、作ってくれてありがとう


急いで朝ごはんを食べて
メモを裏返して李亜にメッセージ


“朝ごはんありがとう
片付けはよろしく。”


髪をなんとかいつものように整えて
慌てて玄関を出た


自転車はない
李亜が乗って行ってるから


とにかく自分の出せる全ての力を使って俺は学校への道を走ることになった