家のインターホンが、
急に響いた
李亜さんだ
髪の長さが中途半端なまま、玄関へ向かって
そのまま扉を開けた
「伊織ちゃん!!!」
「わっ…!」
李亜さんがなだれ込むように入ってきた
「大丈夫…!!
急にあんな電話かけてくるし、心配で…!」
李亜さんの息は上がってて、
走ってきてくれたことがわかる
ごめんなさい、説明不足で…
「えと…か、髪を…切ろうと…」
手に持ったままのハサミを李亜さんに見せる
「まさか…自分で…?
っていうかっ!長さバラバラだし…!」
「自分で、切りたくって…。
だめ、ですかね…」
わたしの、中途半端な髪を見て
李亜さんは恐ろしいものを見たような顔をした
「…だからわたしを呼んだ、ってこと?」
「…そう、です」
なんだか、やっぱり巻き込んでしまって申し訳ない気がしてきた
自分のことなのに…
「もう!
…しょうがない!
わたしがものすんごく綺麗にしてあげるから、見ててよね」
怒るかな、という予想を反して
李亜さんは笑顔を返してくれた
李亜さんらしい、明るい口調で、
すごく安心した
「洗面所へGO〜!
今伊織ちゃん、外に出せないような髪型してるからね、言っとくけど」
「そんなにですか…?」
うん、やばい
と、真顔で返してくるあたり
相当わたしは不器用な事がわかった