“付き合ってんだろ?”


え、ちょっとまって


噂って、どこから?


そもそも、なんでそんな噂?


今まで、周りからわたしたちはどう見えてるのかなって考えたことあったけど


…これが答え?


“速水 空と、藤咲 伊織は付き合っている”


みんなに、そう思われてるの⁈


『付き合ってません!』
って言うべきなんだろうけど、
なんか言いたくない自分もいる


「伊織たちがいる前で、何言ってんの児玉…
次の試合の準備だろ?行くよ」


ばしばし児玉くんの背中を叩いて、空くんが返事をした


「まだ試合あるからさ。
よかったら見て欲しいな。
今日はありがとう、またね、伊織、北条」


そして、こちらに手を振って児玉くんと一緒に走って行ってしまった


「…うん…?」


なんだか頭の整理がつかなくって、曖昧に返事をして手を振り返した


空くん、さらーっと流していたけれど


流されちゃったけど…


どう思ったの?


嫌だったかな、でもそれなら否定するよね…?


混乱したままぼけっとしていると
優里が急にはしゃぎ始めた