「空くん!!頑張れっ!!」


これだけ、これだけだったけど



空くんが、少し笑ったような感じがした


もう、試合時間はのこりわずかだった


空くんが、パスを受ける


ドリブル


一人抜いて、二人抜いて


シュート


一連の流れは一瞬で


でも、深く記憶された、そんな一瞬だった


試合終了の笛が鳴る


「やるじゃん」


そういう優里の声も、なんだか背景のように聞こえて


わたしはただただ、やりきって笑う空くんをみつめることしかできなかった