「もうすぐだね、大会」


帰り道、大会の話題を出してみた


「そうだよー…緊張するよね」


こう返したのは、湊
湊も、バスケ部だからもちろん大会がある


「男バスはいいよねー
会場校、うちんとこなんだしさぁ」

「女子、遠いの?」
「ちょーーー田舎」


男子バスケ部の会場校が、わたしたちのの高校で助かった


他所の学校なんて、入りにくくって
余計行きづらい


「ごめんなさいねー湊。
その、ちょーーー田舎まで応援に行ってあげられなくて」


「来てくれないのぉ⁈」


優里の返しに、今までにないくらい大きな声を出した湊


「だって、伊織を1人になんてできるわけないでしょ?」
「ま、まぁそうだけど…」


お母さんな優里と、わたしは毎回湊の応援に行っていたけれど


今回ばかりは、一人じゃ心細くて優里に一緒に空くんの応援に来てもらうことにした


「まぁ、頑張ってよね、伊織」


「うん、次の大会、応援に行くから」


約束だよ


湊と約束した


3人一緒の時は、なんだかあのもやもやを忘れられた