「…目、開けていいよ、伊織」
正直、心臓の音が外にも聞こえているんじゃないかってほどに大きくて
ぱちっと、目を開いた君を見ると
どきどきしてしまうんだ
「?…あ、れ、…ひまわり」
俺が伊織にプレゼントしたのは
ひまわりのチャームがついた、ブレスレット
李亜に無理やり買い物付き合わされた時に、似合うと思って買ったっけ
伊織が、ブレスレットのついた手首を眺めたまま動かなくなる
「…どうかな。伊織、ひまわり好きって言ってたからさ」
気に入らなかったかな、なんて気になってこんなこと聞いてしまう
「…嬉しい。すごく」
あ、笑った
俺の好きな、伊織の笑顔
ぱっと花が開くみたいな、笑顔
まるで、ひまわりのような
「…喜んでもらえてよかった」
笑顔を見られて、安心した
「ずっと、大事に…するね」
抱きしめてしまいたいくらいに
愛おしい
「ありがと、気に入ってもらえて嬉しいよ」
素直に伝えればいいのに、
伝えられない自分がもどかしかった