「ダメ、かな…?」

空くんが顔を背けた
嫌なのかな…
間が怖い


「い、いや、そんなことない」


よく見ると、空くんの顔は赤くて


「すごく、嬉しい。
応援、楽しみにしてるから」


「ほ、ほんとに、行っていいの?」


つい、聞き返しちゃう


どうしよう、嬉しい


「いいに決まってるじゃん。
何回も言わせるなって、照れる」


背けたままだった顔をこっちに向けて
わたしに笑顔を見せてくれた


いつもと違うのは、すごく顔が赤いところ


「伊織が応援してくれるなら、いつも以上に頑張れるよ」


「そう思ってもらえたら、嬉しい、です。」


まるで、これって


付き合ってるみたい



「差し入れ、持ってきます…!」
「本当?楽しみだ」


「あと…あと、いっぱい応援します…!」
「…ちょっと伊織、落ち着いて!
敬語になってるし…!」



嬉しすぎて頭が混乱して、口から言葉が止まらなくなる


空くんがわたしの両肩に手を置いた
あっつい、ときめきが止まらない


「はい、深呼吸!
…落ち着いた?」


両肩にある手のせいで、落ち着けないです…!


深呼吸をして、落ち着いて…


「空くんのバスケ、楽しみにしてるね」


ほら、落ち着いて言えた


「頑張るから、見てろよ」


もっと話していたいのに、
ここで、予鈴がなる


「いこっか」


「…うん」


冬なのに、暑くてたまらない


空くんの隣を歩く


いつもより、肩が近い


それがすごく嬉しかった