速水くんとファミレスに入った
男の人と、こういうお店に入るのなんて初めてで緊張する
向かい合って、席に座るのも緊張する
…うまくしゃべれるかなぁ…
「俺は!」
第一声は、もちろん速水くん
「速水 空!誕生日は…秋と冬の間だからまだ16歳!それから…男です!」
「…し、知ってるよ…?」
なんで急に自己紹介…?
「男です!」の発言に至っては、必要あったのかなって疑問に思う
「彼女はいません!」
「…?」
彼女は…いない…?
あれ…?
急な宣言に、聞かずにはいられなかった
「李亜…さんは…?」
なんだか信じられなくて
だって、あんなに仲良しでべったりだったのに
速水くんは、申し訳なさそうな顔をした
「やっぱり誤解、したよな…ごめん。
違うよ。彼女なんかじゃない。」
それを聞いて、すごくホッとした
よかった、彼女じゃないんだ…
ホッとしすぎて、涙が出そうになったけど堪えた
また速水くんに、「泣くなよ」って笑われちゃうから
「あ、李亜の事なんだけど。
李亜は、俺の…」
「お姉ちゃんでーす☆」
急に現れた声の主にわたしは驚くしかなかったし、速水くんなんて驚きすぎて急に立ち上がり、机に足を打ったりした
「なんでいるんだよ!!」
現れたのは、いたずらっ子のように笑う可愛い李亜さんだった