わたしの言葉を聞いた速水くんは、頭をゆっくりあげて、わたしに笑顔を向けてくれた


「絶対返すって、言っただろ?」


差し出された手紙には、大きめに『ごめん』の3文字と、T_Tの顔文字が書いてあって


「書きたいことあったけど、うまくまとまらなくて…」ってしどろもどろ説明している速水くんが大好きすぎて


「ごめんね……!」


ずっと言いたかった言葉は、すっと声になった


嬉しくて、苦しくて、うまく表現できないような声が出た


泣かないって、決めたはずだったのに
結局泣いてしまった



『ごめんね』の次に言いたい言葉は、『会いたい』とか、『 話したい』なんてことだったはずなのに


その2つを綺麗にすっ飛ばして、本当に本当に言いたい言葉が口から出てしまった


「ごめんね…好きなの…」