わたしは、逃げてしまった


わたしはいつもそう
聞きたいことだけ聞いて、聞きたくないもの、見たくないものから逃げ出す
こんな自分はやめたいのに


でも、わたしはあれを聞いてしまったら立ち直れない


廊下を走って走って、とにかく走った
涙は出そうになったけどなんとか堪えた
ぶつけた頭が痛かった


追いかけてきて欲しい、なんて思っていたわけじゃないけど
空くんは追いかけてきてはくれなくて、それが寂しかった


わたしの足は図書室へ向かっていた
湊と優里には、図書室で待ってるねと約束しているから


図書室はいつも通り静かで、なんだか少しホッとした


…手紙がうまく書けなくて、外に出てみたんだっけ
気分転換のつもりが、逆効果かな…


いざ手紙を書こうとペンを握れば涙が溢れそうになる


やっぱり、付き合っているのかな
もう空くんとの手紙はやめるべきなのかな
やっても、辛いだけなのかな


もう、あきらめないとダメなのかな


もうわたしの思考はダメな方にしか働かなかった

せっかく今日、手紙を続けようって話したのに、今のわたしには続けられる自信なんてなかった


やっぱりこんなわたしが、人気者な空くんの隣になんて、いれるわけなかったんだ


もう、手紙も終わりかな


せめて、「好き」の気持ちだけでも伝えよう


これで、自分の気持ちに区切りをつけよう