ここからは、李亜さんと空くんの世界になってしまっていた
というか、李亜さんの独占状態だった
…そうだ、わたしだって空くんに聞かないといけないことがあったよね
わたしになにか、隠していませんか?って
《空くんにとって、李亜さんは何なんですか?》
《彼女、なんですか?》
そう、聞かなきゃいけないし聞くべきだ
じゃないと、この2人を見ているときに感じる胸の痛みが消えないから
2人はとても仲が良さそうで…
わたしが割り込む隙間なんて、なさそうだった
「なんで保健室に俺がいるってわかったんだよ!」
「彼方くんが、空は伊織って子を抱えて保健室行ったって、教えてくれたの。」
どうやら、情報のでどころはあの彼方先輩みたい
なぜ名前を知ってるのか、という疑問がひとつ解決した
「ねぇ空、今日ご飯食べに行こうって言ってたじゃん!そろそろ行こうよ!」
「そうだけどさ、ご飯は前も行ったじゃんか。」
李亜さんと空くんが話し始めた
ご飯食べに行くだって
それに、前も行ったって…
そんな頻繁にご飯食べに行ったりする仲、なのかな
「じゃあ…制服デートしよう!新作のケーキが食べたいなー」
デート?
「やだよ。もう俺がなんか作るからさ、家で食べよう今日は。」
家?
2人の会話に出てくる単語ひとつひとつが引っかかる
李亜さんと空くんは、友達以上の関係を持っているようにしか思えなくなってきた
それも、すごく楽しそうに話していて、もうわたしの目には、仲良しカップルが話しているようにしか見えなかった