保健室


ベッドにわたしを寝かせてくれた速水くんは、椅子に座ってわたしを見ててくれていた


…どうしよう。起きたほうが、いいのかな


というか、もう起きているけど
タイミングが分かりません


そこで、タイミングがいいのか悪いのか


「伊織、起きてるだろ。バレてるから。」


バレてる⁈
わたしは、跳ね起きる


少し、後頭部がジンジンしたけどお構いなし



「一瞬目開けてるの見ちゃったし。
隠してもバレバレだよまったく。」


見られてたなんて、すごく恥ずかしい
ふとんに隠れてしまいたいくらい


…結局なところ、どうやらバレー部のミスしたサーブがわたしの後頭部に見事にヒットしたようで


どんな悪運の持ち主なんだか、わたし


それで倒れたわたしを速水くんが保健室に連れてきてくれたみたい


すごい音だったよ、なんて速水くんは笑っていろいろ教えてくれた


まだ痛むけど、なんか楽しそうに話す速水くん見てたらもうどうでもよくなった


速水くんと笑えるなら、わたしは何があっても大丈夫


だってわたしは速水くんが好きだから