「あぁ?」

先ほどのまぶしい笑顔からは予想できないほど彼女の顔には、鬼の形相というものが現れた。

圭はそれを見て多分違う意味でぞくっとした。

そして彼女は続ける。

「あたしもさ、貧弱そうでガキみたいなあんたに構ってる暇がないわけ。学年上位保つために勉強しなきゃいけないし、健康美容のために運動もしなきゃいけない。暇があれば英単語とか数学の公式を覚える。これらすべては親から言われたからじゃない。すべて自分からやってるの。自分のために。なのに!!今日はあいにく英単語帳も数学のノートを忘れた!そんな日に限ってアンタに呼び出し食らった。私のことが好きだったら私の予定とか考えてくれる?」

二人がいる空間が、静まり返った。

「・・・・・・・・ご、ごめん」

(あれ?僕、たしか告白しにきたんだよね?何で怒られてんの?)

圭がまた小さくパニックを起こしている間に彼女は目の前から姿を消していた。