きれいなオレンジ色に染まる学校の校舎。生徒たちが楽しげに帰っていく様子を教室で一人少女が見ていた。
彼女の名前は岡辺沙緒。この瀬ヶ丘高校トップクラスの美女と言われている女子生徒だった。
どこも透き通るような白で、触れると壊れてしまいそうな肌。ぱっちり二重の輝いた目。茶色で内側にくるまっているショートカットの髪。どこをどうとっても美女だ。
沙緒は同じクラスの男子に頼まれて、放課後の教室に残っていた。

「・・・遅・・・。」

彼女の独り言を聞くものはいない。