彼女はずっとこの気持ちに気づいて欲しかった。 本当の自分を見て欲しかった。 大きな幸せなどなくていい、小さな小さな願い。 そんな願いも叶わなかった。 鳥籠の中の彼女。 彼女の中の鳥籠に「本当の自分」を隠して、彼女はその存在を長く押し殺していた。 今は、性欲処理の道具。 彼女の値段は高い。 その分の対価は払っている。 彼女自身の体で……。 行為の前と行為中の彼女は全くの別物。 まるで、氷と炎の様に違う。