プルル、プルルル。
「…こ、…琴葉ちゃん?」
千夏さんからの電話。
久しぶりに聞いた声は私が日本にいた時の声よりか細くて、泣いてしまいそうな声。
すぐに分かった。
何も喋らない千夏さん。
電話に通って聞こえる嗚咽。
「…千夏さん?……っ…どうしたんですか!?」
予想ができてしまって、私からも嗚咽が漏れる。
「剛が……。」
千夏さんは動揺しすぎていて、何を話しているかわからなかった。
とにかく早く帰らなきゃ。
それだけが頭の中で回ってて、あのあと、どのルートで空港へ行ったのか覚えていない。
剛はきっと大丈夫。、