どいつもこいつも、彼女を道具としか見ない。 彼女はいつでも道具だ。 ある時は金を作るための道具。 ある時は誰かの面影を重ねられる道具。 ある時は情報を与えるための道具。 2年前からは性欲をはらすための道具。 誰も彼女を道具としてしか見なかった。 彼女自身を見なかった。 道具として扱われるたび彼女は心をもっと閉ざしていった。