「お〜。佐藤遅いぞ」
呼び出しといてそれか。
と思いながらも
「すいません。」
謝る。そして本題へ移ることにした。
「何故私は呼び出されたんですか?」
ほかの生徒は多分こんなこと言わないだろうと思ってもつい本音が出てしまった。
「…はぁ〜。お前わかってないのか。」
と先生は頭を抱えながら言う。
私が訳が分らないという表情をしてると
「授業中あんだけ寝てたら呼び出されるだろ普通」
と私にわかるように説明してくれた。
そして先生はこう続ける。
「どうにか寝ないようにできないのか。もう2年生だぞ。来年は就職や大学に進むかも決めないとだしな。」
と。私はその質問に対して
「はい。むりです。来年のことは来年考えます。」
と正直に答える。
またも新垣先生は頭を抱えながら
「だからあんだけ寝ててもお前は呼び出されんのだな」
と呟く。
私にはそれが聞こえていた。
自慢じゃないが私は高校入学してからというものテストでは毎回5位以内をキープし続けている。
でも授業中は毎回寝ているか保健室にいるか屋上にいるかだ。
私だって入学当初は毎日と言っていいほどいろんな先生達から呼び出された。
けど私が毎回正直に答えるためいつしか諦められ呼び出されなくなった。
まあ、テストでの成績はいいから寝ていても進級できるからだとはおもうけれど。
でも新垣先生は今年きたばかりの先生だ。
そんなことを知るはずもない。
だから、私がこうして呼び出されたのだ。