「…はい。」

寝ぼけているせいなのか反応が若干鈍る。

「この公式解いてみろ。」

新垣先生は少し怒っているのか命令口調で私に告げる。

私はスッと席を立ち黒板の真ん前に立つ。

チョークを手に取り答えを書いた。

「…正解だ。戻っていいぞ。但し寝るなよ。」

その途端クラスの中は少しざわめく。

ヒソヒソヒソヒソ

私の話をしている声が聞こえてくる。

「すげーよな佐藤」
「いーなぁ、俺もあんな頭良くなりてー。」
「この前のテスト学年1位だっけ?」
「そうそう。授業中は寝てるかいないかなのに」
「1回書いたら覚えるってまじなのかなぁ。」


…だからなに?
ヒソヒソ喋るくらいなら聞きに来ればいいのに。